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2007年08月26日

火の鳥 「未来編」

火の鳥 「未来編」

黎明編」 と「未来編」 はセットです。
この2話で 永遠のループ が完成します。
火の鳥の物語的にはこれが最終話になります。

この2話の間を埋めていくのが、3巻以降の話になります。

火の鳥は、過去、未来、過去、未来という風に現代の時間帯に近づくように物語を進めていき、現代編で火の鳥が終了するような構想になっていたそうです。

でも、 

火の鳥 最高傑作は「未来編」 

です。

以下は、ネタバレです。
ネタをばらすしか語れません。

物語は、西暦3403年。

黎明編でも争いの歴史がずっと綴られていましたが、西暦3403年でも争いの歴史は続いています。
未来の地球人は地上の環境破壊を止めることができず、地下に巨大なメガロポリスを形成して生活をしています。

そんな世界から隔離して生命を自分の手でつくる研究をしている猿田博士。

知能を持つブラドベリィ。
人口羊水から出るとすぐ死んでしまう。
死に方は骨も残さず溶ける
命を作るという行為はタブーなのか?

宇宙生命(コスモゾーン)
地球は生きている。
地球の生物全てを含めて1つの生命体。

ここまで、壊れた地球を救える人物は一人しかいない。
それは、猿田博士ではなかった。

ここで、重要生物「ロビタ」も出ます。
敢えて生物とします。


猿田博士の発想

人間?
人間が何だというんじゃ。
いまはもう、人間も虫も植物も区別は無い!
生き物という大きな兄弟みたいなものだ。

そうだ。

生物家族だ。

なにかひとつが生き残ればそれでいいのだ。
たとえ人間は滅んでもな!


そして…
世界の滅亡。

その終わり方が傑作。
ヒステリックなコンピューター同士の口論の結果、戦争が開始。
さらに、コンピューターシステムの暴走による核攻撃で、5つのメガロポリスが一瞬でなくなります。

一瞬で、地球人は滅亡します。

マサト、ロック、猿田博士、不定形生物ムーピーのタマミ を残して。

火の鳥にはよくこういうセリフが出てきます。

俺は、ただ生き延びたいだけなんだ。

これも、火の鳥の重要なテーマ


ロック
高濃度放射能の渦の中で、
「こんなに雄大な景色を見ながら人生の一巻を終わるなんて…ウフフ…ウフフ…アーハハハハ…」

猿田博士
「わしの研究を受け継いでくれ!人工生命を…」

タマミ
「ムーピーの寿命はマサトほどもたないもの」

一人生き残ったのは、火の鳥に選ばれたマサト

マサト
「死にたい!死にたい。だが、なぜ死ねないんだ?
おれだけが…なぜだ?!
だれか、なんとかいってくれ!」

「おれの話相手をくれ!!
おれはひとりはいやだ!!
人間の相手をくれーッ」

「五千年…わしは待つのが楽しかった!!
次の五千年…その次の五千年…
わしはなにを期待して生きればいいのだ?…」

永遠の命を得るより死んだ方がましです。



マサトは結局、人工生物を作ることは出来ず、自然に新生物が誕生するのを待つしかないことを理解。
結局、神はその程度の存在。
無の状態から、1つの生命すら作り出すことができない。


コアセルベートを流し、地球から生物が自然発生するのを何億年も待つマサト。

しかし、最初の進化のループから地球上最強生物になったのは、なんとナ○○○。
素晴らしいセンスです!!!!!!
ナ○○○も結局、争いで滅亡します。

「あの、ナ○○○にしたって高等な生物だったこともあった。
ここ(地球)ではどうしてどの生物も間違った方向へ進化してしまうのだろう」

「でも、今度こそ」
と火の鳥は思う

「今度こそ信じたい」

今度の人類こそ、きっとどこかで間違いに気がついて…、
生命を正しく使ってくれるようになるだろう


と…


この「未来編」に関しては引用ばかりになってしまいました。
私の意見を挟む余地がありません。
意外性も含め、読ませる完璧なストーリー展開、「Fatal Tragedy」的展開、そして神マサトの定義、これには本当に脱帽しました。
実は、こんなことを考え出せる 手塚先生こそが神 だったのですね。


火の鳥「未来編」を読んだ時は、本当に眠れなくなるほど衝撃的でした。
読み物としても大変面白く、分かりやすい。
でも、これを教材にして人生哲学の授業ができるほど深いです。
何度でも言いましょう。

火の鳥 最高傑作は「未来編」

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手塚 治虫

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posted by 夢 at 00:06 | Comment(4) | TrackBack(0) | 火の鳥
この記事へのコメント
>手塚先生こそが神 
本当ですね。
手塚治虫と言う漫画家は、色々な人間に大きな影響を与えた偉大な人物だと思います。
Posted by とまと at 2007年09月03日 09:56
そうですね。
影響度は高いと思います。

でも、手塚先生という名前を知っていても、作品を読んでいないという人が多そうです。
実際、周りの人もそうなので、このブログで紹介しています。
火の鳥は一読の価値があると思うのですが…。
Posted by 夢 at 2007年09月03日 22:16
スミマセン(汗)・・・またここにコメント入れさせて頂きますね。

>作品を読んでいないという人が多そう
内容が難しいですからね。
心の「葛藤系」ですから。

>火の鳥は一読の価値がある
あとブラック・ジャックとブッタもですね。

お忙しいと思うので、レスは適当若しくは無しでもいいですからね。
ストレスがたまらない程度に流してもらえれば有難いです。

では!

Posted by とまと at 2007年09月05日 22:40
>ブラック・ジャックとブッタ
他にもたくさんありますよ。
私は、挫折を知った後の後期手塚作品が大好きです。
後期の作品に偏ってしまうかもしれませんが、順に紹介していきたいと思ってます。
Posted by 夢 at 2007年09月06日 23:41
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